3GPPとは?
3GPP (3rd Generation Partnership Project)とは、
移動体通信システムにおける国際標準仕様策定団体である。
3GPP標準仕様の遍歴
1999年 Release99でW-CDMAの標準仕様を策定して以降、多くの機能を追加しRelease仕様を策定してきた。
2002年 Release5では、HSDPA (UEの電波状況に応じて変調方式・符号化率を最適化)を、2004年 Release6では、HSUPA (nodeBの電波受信状況に応じて、符号化率・拡散率・送信電力を最適化)を盛り込んだ。そして2009年 Release8以降、LTEに関する技術を策定している。
LTEに関する主な技術は以下の通りである。
LTE機能拡張の経緯
LTEにおける周波数利用効率や通信品質、速度向上の主な技術の紹介。
広帯域化技術
W-CDMA/HSDPA/HSUPAでは、帯域幅5MHzだったが、Relese8のLTE以降 最大20MHzの帯域幅をサポートし、ユーザスループット向上を図っている。また、Relese10以降、LTEの周波数を複数束ねて最大100MHzまでの帯域幅をサポート可能となっている。
マルチアンテナ技術
複数の層受信アンテナを用いて同一時間・周波数で伝送を行う、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を採用し、Release8では下り最大4レイヤ、Release10では下り最大8レイヤ/上り最大4レイヤへと拡張された。これにより、周波数利用効率と通信品質の向上を実現している。
セル間協調技術
Relese8では、セル端にセル間周波数を繰り返し利用する技術であるICICが、基地局間インターフェイスに採用された。
Relese10以降では、マクロセルとピコセル/フェムトセルをオーバレイ配置したHetNetや、マクロセルの送信電力制御やピコセル/マクロセルの在圏セル判定制御をするeICIC技術を採用した。
Relese11以降では、複数基地局間で協調して送受信制御を行うCoMP(Coordinatied Multi Point Transmission/Reception)が採用され、UEが最適な基地局の高速選択が可能な技術や、隣接基地局からの干渉低減が実現した。
以上、今回は3GPPのRelease99からRelease10までの技術の概要でした!
また、3GPPのLTEについて解説しているサイトがあります。
英語が苦手な人でも、とても分かりやすいので参考にしてください^^
[LTE仕様書斜め読み]3GPP TS 36.300編(1) – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) |
3GPP仕様は、移動体通信業界で働くうえで、特に開発フェーズ等ではなくてはならない基礎中の基礎知識です。
一連の流れを把握しつつ、これからドンドン深く知識を深めていきたいと思います!
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- MCPC1級, モバイルシステム技術検定1級